2014/11/27
少年老い易く思いなり難し、日本腐敗解散!
私は弱い人間だった。迷いの生き物であった。
あっちにぶつかり、こっちに小突かれた傷だらけのやせ犬だった。飢えてもいた。
最後の軍国少年だったから、
死にそびれたという思いもあった。
台湾台南州北港近くのサトウキビ畑には海軍飛行隊のゼロ戦が隠してあった。近くに隊舎があって搭乗員や整備員が寝起きしていた。
国民学校の高学年だったから、軍事教練や少国民の為の戦陣訓話のあと、寿郎君などと海軍飛行隊隊舎に慰問にいったものだ。
そこで手塚飛行曹長に可愛がられた。
「きみたち少国民が日本の宝だ。キミたちの肩に日本は掛かっている。がんばれ。日時はいえないが近く出発する。早朝空を見上げて飛び立つ戦闘機がいたら、よくみるといい。翼を左右に振ったらそれがおれだ。キミたちへの最後の別れの挨拶だ」
毎日早起きして空を眺めた。
何日目かに戦闘機が飛び立った。
真ん中に一機が左右に翼をふった。
手塚曹長だ。
台湾沖海戦で敵艦に突っ込んだのだろう。以来、死にそびれたと思うようになった。高等科の先輩が少年飛行学校に受かった。校門に全校生並んで見送った。
上級生の多くは、泣きながら、僕も少年飛行学校にゆきます。待っていてください。と泣いた。
しばらくして日本は負けた。
配属将校はいなくなった。
校長は悪びれることもなく、日本は明日から民主主義の国に変わります、といった。日の丸に代わって青天白日旗を挙げた。
なんだろね。そのしらじらさは。今も同じだな。
日本の大人って最低だな。
あれから70年になる。
少年は垢にまみれた。吼えた。騙した。銭ばかり追いかけた。子供は大きくなって去った。妻は死んだ。
犬も猫も老いて死んだ。
悪意の防具を身を固めたおいらは生き残った。
そしていま、
正確には分からないが近い未来に、
おいらも終わるだろう。
なんだろね。人生は。
さいきん妙に仏教臭くなった。
最澄の言葉である。忘己利他。「悪事を己に迎え、好事を他に与え、己をわすれ、他を利するは慈悲の極みなり」 そうかああ。
そのとおりだな。
日本人って本来そうだった。多くの仏教国の中で日本の仏教は稀有に純粋に神的にそだった。言辞仏教よりも、原始仏教よりも、中国や韓国の形式仏教よりも、心の清んだ仏教にそだったな。
仏像見ればわかるがな。線が違う。ふくらみが違う。ピュアで且つ侵しがたく荘厳で柔和だ。
だから済州島あたりから盗みにくる。
すばらしいたおやかであるな。でもこの利他の心だけではアングロサクソンやユダヤ漢民族や韓民族にやられるな。
やれんなあ。
老いたる軍国少年はさいきんまた憂鬱なのだ。
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